日本健康医学会雑誌
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母乳中の抗酸化酵素およびポリフェノール量の泌乳期における変動
若菜 宣明大松 孝樹本間 和宏田中 越郎
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2007 年 16 巻 1 号 p. 3-7

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抄録

母乳中には主たる栄養素がバランスよく含まれているだけでなく,抗酸化物質等も含まれている。今回,のべ72人の母親から得られた母乳総計193検体を使用し,代表的な抗酸化酵素であるSODおよびカタラーゼの活性と,さらに代表的な抗酸化物質であるポリフェノールの母乳中の濃度を,泌乳期ごとに測定した。総SOD活性は初乳(出生後5日まで)は移行乳(出生後6-14日)や成乳(出生後15日以降)より有意に高かった。このうちMn-SODは初乳で高く,Cu/Zn-SOD活性は3群間で有意差は見られなかった。また,カタラーゼ活性も3群間で有意差は見られなかった。またポリフェノール含有最は初乳で有意に大であった。これらの抗酸化作用物質は,酸化ストレスを減弱させる事により酸化防御機構の未熟な乳児の健康な発育に寄与している事が示唆された。

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© 2007 日本健康医学会
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