日本健康医学会雑誌
Online ISSN : 2423-9828
Print ISSN : 1343-0025
健康飲料酒(ハチミツ酒)の試醸
穂坂 賢数岡 孝幸村 清司
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 16 巻 1 号 p. 25-29

詳細
抄録

前報においてラッカセイ種皮を利用した健康飲料酒の開発に先駆け,原料としてのハチミツの性状ならびに酵母の選択を行ったところ,未精製ハチミツでの成分で発酵が十分であり,使用酵母においてはワイン酵母のOC-2酵母とW-10酵母がハチミツの発酵において適するとの結果を報告した。本報告では,ラッカセイ種皮の熱水抽出液を用い,ポリフェノールを多く含有しかつ渋みを良好に持たせた特徴あるハチミツ酒を製造するための諸条件の検討を行い,ポリフェノールを付加した独特の渋味のあるハチミツ酒を製造することができた。ハチミツの初発糖濃度を15%と18%に調製したハチミツ液にラッカセイ種皮を0.1%から0.5%になるよう添加し,発酵を行い,発酵終了後のハチミツ酒のポリフェノール量および官能評価より,最適添加量を検討したところ,糖濃度を15%に調製したハチミツ液での発酵では,ラッカセイ種皮の添加量は0.2%が最適である結果を得た。また糖濃度を18%に調製したハチミツ液での発酵では,ラッカセイ種皮の添加量は0.4%が最適である結果を得た。ハチミツの初発糖濃度15%,ラッカセイ種皮を0.2%とハチミツの初発糖濃度18%,ラッカセイ種皮を0.4%にそれぞれ調製したハチミツ液に,酸味料として乳酸を0.75ml/lから3.00ml/l添加し,発酵を行い,酵終了後のハチミツ酒の官能評価より,最適添加量を検討したところ,ラッカセイ種皮を0.2%,糖濃度15%におけるろ液では,乳酸添加量2.25ml/lが,ラッカセイ種皮を0.4%,糖濃度18%におけるろ液では,乳酸添加量1.50ml/lが最もよいとの結果を得た。

著者関連情報
© 2007 日本健康医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top