日本健康医学会雑誌
Online ISSN : 2423-9828
Print ISSN : 1343-0025
原著
健康診断で糖尿病の可能性を指摘されてから受診行動に至る促進要因と抑制要因に関する研究
三浦 沙織
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 28 巻 2 号 p. 107-115

詳細
抄録

本研究の目的は,健康診断で糖尿病の可能性を指摘されてから受診行動に至る促進要因と抑制要因を明らかにすることである。健康診断で糖尿病の可能性を指摘され受診した患者10名に対し,半構成的面接を行い質的に分析した。その結果,促進要因に関しては,【年齢や病気経験から自分の健康が気になる】【健康診断結果の自己評価や周囲の勧めで受診の必要性を認識する】【職場や自治体からの受診勧奨がある】【受診への制約が少ない】の4個のカテゴリーが抽出された。抑制要因に関しては,【自覚症状がなく,病気のリスクが感じられない】【要精査は自分で管理できる】【健康診断結果の意味や受診の相談先がわからない】【病院受診に抵抗感や負担感がある】の4個のカテゴリーが抽出された。このことにより,今回の対象者は「要精査」が示す受診の必要性を認識しにくい状況があり,看護職者は健康診断受診の段階から介入し,対象者に健康診断結果に対して正しく理解できるような支援の重要性が示唆された。

著者関連情報
© 2019 日本健康医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top