高リン食投与による腎の石灰化発症のメカニズムについて明らかにするために,高リン食投与時のラット腎臓の骨代謝関連タンパク質である骨形成タンパク質2とオステオポンチンに注目した。そこで,本実験では骨形成タンパク質2(Bmp2)とオステオポンチン(Spp1)のmRNA発現量に及ぼす高リン食投与の影響について検討した。ウィスターラットを2群に分け,飼料中リン濃度を0.3%(正常食)または1.5%(高リン食)に調整した飼料を投与した。腎臓中カルシウムとリン濃度は正常食群に比し高リン食群で有意に高値を示した。また,Bmp2とSpp1のmRNA発現量も正常食群に比し高リン食群で有意に高値を示した。これらの結果から,高リン食は腎臓のBmp2 とSpp1のmRNA発現量を増加させることが示された。