新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大する中,看護系大学生の経済状況と月経随伴症状に対するセルフケアの関連を明らかにする目的で,公立または私立の大学に通う看護系大学生1~4年生を対象に無記名自記式質問紙調査法を行った。調査内容は,経済状況,同居者の有無,看護系大学生が支払っている生活費,COVID-19による看護系大学生自身のアルバイトおよび保護者の経済状況への影響,月経痛の有無,月経痛の程度のVisual Analogue Scale (VAS),月経随伴症状のセルフケア満足,月経痛に対するセルフケア尺度である。
対象者550人に配布し,343人(62.4%)から回収し,そのうち有効回答数は334人(対象者の60.7%)であった。経済的に困っている者は36人,ゆとりがある者は139人であった。看護系大学生自身のアルバイトや保護者の経済状況にCOVID-19による影響があるほど経済的に困っていた(p<0.001)。経済状況と月経痛に有意な差はみられなかったが,経済的に困っている者に月経随伴症状のセルフケア満足が低く(p<0.01),月経痛改善までの負担の予測が大きかった(p<0.05)。
COVID-19は,看護系大学生自身のアルバイトや保護者の収入への影響を通して,経済的な困難感と関連していた。経済的に困っている者ほど,月経に対するセルフケアに負担を感じており,経済的援助も考慮したセルフケア支援が必要である。