日本健康医学会雑誌
Online ISSN : 2423-9828
Print ISSN : 1343-0025
原著
病院に勤務する看護師の看護実践の卓越性の関連要因
村山 久美子鈴木 英子氏家 陽子
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2022 年 31 巻 3 号 p. 347-358

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抄録

看護師の看護実践の卓越性の関連要因を明らかにする目的で,東北・関東地方の公立病院に勤務する看護師661名を対象に,看護実践の卓越性自己評価尺度・キャリアコミットメント尺度・情緒的組織コミットメント尺度・個人要因・職場環境要因で構成する自記式質問紙調査を行った。年齢,性別,看護実践の卓越性尺度に欠損や重複がない453名から回答が得られた(有効回答率68.5%)。有効回答者の平均年齢は38.0±9.5歳,看護師経験年数の平均は16.2±9.1年であった。看護実践の卓越性総合得点の平均は121.3±19.2点,キャリアコミットメントの平均点は2.74±0.8点,情緒的組織コミットメント平均点は3.01±0.7点であった。重回帰分析の結果,調整済みR2は0.495であり有意義な結果であった。患者に対する思い入れがある者(β=0.221),看護実践を省察する者(β=0.179),臨床判断に自信がある者(β=0.136),研究成果の活用を検討している者(β=0.129),同僚からの承認がある者(β=0.128),学会や研修に参加し最新の情報を得ている者(β=0.115),新卒看護師を1年間指導した経験のある者(β=0.100)は,看護実践の卓越性が高いことが明らかとなった。看護実践の質の向上のため,これらの結果をふまえサポートしていく必要性がある。

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