2025 年 33 巻 4 号 p. 528-533
鹿児島県垂水市で行われた地域コホート研究(垂水研究2021年度)に参加した551名のうち,65歳以上の198名をHbA1cが≧5.6%の糖尿病予備群(103名)とHbA1cが<5.6%の正常群(95名)の2群に分け,Body Mass Index(BMI),収縮期血圧,血清トリグリセリド(TG),HDLコレステロール(HDL-C),LDLコレステロール,総座位時間,10分以上の座位持続時間,中等度以上の活動時間(MVPA)を比較した。座位時間は,ActiGraphを用いて客観的に測定した。糖尿病予備群は,正常群と比較してBMI(p=0.001),TG(p=0.020),10分以上の座位持続時間(p=0.003)が有意に高値を示し,HDL-Cは有意に低値を示した(p=0.002)。糖尿病予備群/正常群という群分けを従属変数,10分以上の座位持続時間,年齢,性別,BMI,HDL-C,TG,MVPAを独立変数としたロジスティック回帰分析を行い,糖尿病予備群に対するオッズ比(OR)を算出したところ,10分以上の座位持続時間(OR,1.01 ; 95%CI : 1.01-1.02 ; p=0.012)とBMI(OR,1.12 ; 95%CI:1.02-1.23 ; p=0.022)が有意な関連を示した。