日本健康医学会雑誌
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Print ISSN : 1343-0025
日本語学校生の精神健康に関する研究(<特集>第4回日本健康医学会総会)
垣渕 洋一西村 秋生中島 聡美松崎 一葉稲村 博
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1995 年 4 巻 1 号 p. 45-50

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抄録

都内の日本語学校生を対象に文化受容と精神健康との関連について検討した。1.文化受容に関する項目として文化受容柔軟性尺度、宿主文化の心像、日本語能力を取り上げ、精神健康の指標としてZungのSDS(Self-rating Depression Scale)を使用した。2.解析の対象となったのは1182例であり、性別は男性52.6%、女性47.4%、平均年齢25.4才(SD3.7)、在留資格は就学81.4%、留学15.2%、配偶者2.0%、研修1.4%、国籍は韓国52.7%、中国47.3%であった。3.対象者全体のSDS得点の平均は43.7(SD9.0)であり、Zungのうつ状態重症度分類に従うと、軽症が34.9%、中等症が24.7%、重症は7.4%であった。67.0%は精神健康が障害されている事例が多いことがわかった。4.精神健康に影響を与えると推測した項目とSDS得点との相関を多変量解析の手法を用いて検討した。5.文化受容の柔軟性が高く、宿主文化の心像が肯定的で、日本語能力が高い程、精神的に健康であった。

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© 1995 日本健康医学会
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