1979 年 45 巻 396 号 p. 1196-1203
上向きの気液ニ相流においては気体スラグ周辺の下降水が流動障害物のためにせき止めらめて障害物直下においてドレーニジが起こり、障害物下方の壁面上の水膜が極めて薄くなることがある。本報では気体スラグ周辺の液膜がこのような薄膜を呈する過程を実験ならびに理論的に調べ、その機構を明らかにした。また、前報までに報告した最小水膜厚さに対する物理現象としての背景を明確にするとともに、この薄層化効果がドライパッチ生成の有力な一因となりうることを示した。