近畿の産業遺産
Online ISSN : 2435-1342
Print ISSN : 1881-2481
伊東忠太氏によるモザイク壁画
新・阪急うめだ本店レストラン街に“復活”
佐藤 宏
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2013 年 7 巻 p. 9-16

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抄録
 阪急うめだ本店は2012(平成24)年11月21日,7年余りに亘る梅田阪急ビル建て替え工事が完了,21世紀型の新しい百貨店を目指して全店新装開店した.阪急百貨店の創業は1929(昭和4)年梅田に世界最初のターミナルステーション・デパートメントストアービルの第1期ビル完成に遡る.第2期ビル完成により第1期・第2期ビルの1階コンコースに豪華な装飾が設けられた.爾来,ドーム型天井の華やかなシャンデリアと伊東忠太氏によるガラスタイル・モザイク壁画は,阪急電車改札口と百貨店正面入口のファサードとして広く顧客に親しまれて来た.全面建て替え工事で,これらの文化的・学術的に貴重な産業遺産の去就が注目されていたが,この度,阪急うめだ本店13階レストラン街で装いも新たに産業遺産が忠実に“復活”した.今回のケースは,産業遺産の今後の保存・活用方法の優れた事例として後日の参考になるものと思料される.
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© 2013 近畿産業考古学会
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