近畿理学療法学術大会
第47回近畿理学療法学術大会
セッションID: 105
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当訪問看護ステーションの利用者の動向(第1報)
*中井 一行水流添 勇森 まどか春田 貴史川内 隆横井 賀津志
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抄録
【はじめに】
 今回、当訪問看護ステーション開設から平成18年3月31日までの4年間の訪問状況を振り返ることにより、当ステーションの利用者の動向を知ることで、今後の業務にあたる上での1つの指標となるのではないかと考え調査したので報告する。
【対象】
 当訪問看護ステーションが開設した平成14年4月1日~平成18年3月31日までの間に当ステーションの訪問によるリハビリテーション(以下、リハ)を受け終了となったケース、161名を対象とした。
【調査方法】
 終了カルテより選択した調査項目について当ステーションのPT・OT(計5名)が調査を実施した。
【調査項目】
 1.性別2.年齢3.主疾患4.サービス実施期間5.要介護度及び要介護度変化6.訪問者(職種)及びその変更歴7.訪問頻度及びその変更歴8.認知症状・高次脳機能障害の有無9.家族構成及び主介護者
【結果及び考察】
 今回、当ステーション利用者の動向を知ることを目的に調査を実施した。利用者の特徴として男女比、男女の年齢差ともにほとんど差はなく、男女とも均等にリハを実施していたことが伺える。主疾患別では脳血管疾患が半数を占め、次いで整形外科疾患が45名(28%)と多かったが、これは骨折などの骨・関節疾患に加え頚椎損傷などの脊髄疾患が多く含まれていたためであると思われる。サービス実施期間については平均で10.9ヶ月と約1年弱という状況ではあったが、開始から3ヶ月以内に終了したものが30%を占め、6ヶ月を過ぎるとさらに終了者数が減少しており、傾向としてサービス期間が長くなるにつれ、終了者数も減少していくということが分かった。またこの結果から開始~6ヶ月を経過しても訪問を終了していないケースは訪問が長期化するということも分かった。リハ終了時の要介護度としては要介護2の34名が最も多く、次いで要介護1の30名であったが要介護3~5も20名以上いることから要介護1~5までの身体状況の全く異なる利用者が満遍なく存在していたことが分かった。逆に要支援の利用者は9名と少なく、ある程度身の回りの動作が自立している対象者については訪問によるリハのニーズが少ないことも分かった。家族構成としては2人暮らしの世帯が多く、対象者の男女比がほとんど変わらないのに、介護者は妻が多い、つまり2人暮らしで妻が夫を介護しているケースが多いことが分かった。逆に妻が介護を要する状態になると夫だけでは介護していけず、3人暮らし以上の世帯となり、娘・嫁が介護をしているケースが多いと考えられる。
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© 2007 社団法人 日本理学療法士協会近畿ブロック
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