近畿理学療法学術大会
第50回近畿理学療法学術大会
セッションID: 86
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左距骨粉砕骨折後、人工距骨を適応した症例に対する考察
*奥 晋也水野 大輔上田 健治
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抄録

【目的】  今回、人工距骨全置換術後の理学療法を担当する機会を得た。人工距骨全置換術は世界でまだ100症例程しか施行されておらず、それに対する理学療法もまだ多く知られていない。術後から外来までの理学療法を行いAOFASにおいて97点と高い成績を納める事が出来たので、その理学療法を人工距骨全置換術と共に紹介したい。 【症例】59歳:男性 ・現症:平成21年11月8日に2メートルの高所から転落し、左足から着地してそのまま転倒した。同日当院に救急搬送された。 ・画像所見: 左距骨粉砕骨折,左足関節外果骨折,第一腰椎破裂骨折(神経学的異常認めず) 【経過】~術後3w:下腿cast(足関節外果骨折合併の為)4w~:足関節ROM訓練、部分荷重開始 6w~:全荷重開始 【結果】  術後早期から理学療法を開始し、AOFASにおいても高い得点を納める事ができた。 【考察】距骨粉砕骨折は骨接合後、高率に距骨壊死や変形性関節症に移行し、治療に難渋することが多い。しかし、今回は距骨粉砕骨折に対して人工距骨全置換術を施行し、短期的ではあるが良好な成績を得た。まだ、技術的に早期にインプラントを作成することができないという短所もある。 【理学療法研究としての意義】  人工距骨全置換術に関しては現段階で高い成績を納めていることもあり、今後急性期の治療方法の一つとして多くなることも考えられ、それにともなった理学療法の確立も必要であると考える。本症例では健足側と比較して後足部外反の可動域制限と足関節背屈制限がみられた。それに対して傾斜を利用した持続的ストレッチを行った所著明な改善がみられた。

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© 2010 社団法人 日本理学療法士協会 近畿ブロック
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