基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
第17回基礎有機化学連合討論会
セッションID: 1P009
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X線結晶解析による MαNP エステルの絶対配置決定と立体配座解析
*原田 宣之桑原 俊介内藤 順平山本 陽子葛西 祐介藤田 拓麻島貫 久美子赤木 愛野呂 一世渡辺 政隆市川 明生
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抄録

新規キラル試薬 M.alpha.NP acid (1) はアルコール類の不斉識別能力に優れ、またラセミ化しないため、HPLC 分離により光学分割に使用できる。さらにナフチル基の強力な磁気異方性効果を用いてアルコール部分の絶対配置を決定できる。すなわち、ラセミ体アルコールに対してキラルカルボン酸 (S)-(+)-M.alpha.NP acid を縮合させ、得られたジアステレオマー混合物を HPLC 分離した後 M.alpha.NP を外すことで、光学的に純粋なアルコールを得ることができる。また、第一溶出成分のアルコールの絶対配置は化学シフトの差 Δδ = δ(2nd fr.) - δ(1st fr.) を求めることにより決定できる。この絶対配置決定では M.alpha.NP acid ester の安定立体配座が最重要である。今回、我々は種々の M.alpha.NP acid ester 類のX線結晶解析に成功し、その結晶中立体配座は、磁気異方性効果から求めた溶液中安定配座にほぼ一致することを見いだした。また、M.alpha.NP acid 法から得た絶対配置はX線解析のそれと完全に一致しており、M.alpha.NP acid 法の信頼性を確立するものである。

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© 2004 基礎有機化学連合討論会
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