主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
β-アリール基質のソルボリシスは、フェノニウムイオンを経るkΔ機構で主に進行する。そこで我々はα-CN-β-CF3-β-フェニルエチルトリフレートのアセトリシスを行い、LArSR式による置換基効果解析から、kΔ遷移状態の構造や安定性に対する電子求引性基の影響について研究を行った。 LArSR式による解析でneophyl系がr+=0.57であるのに対し、本系のr+=1.09という値は、kΔ遷移状態がFriedel-Crafts塩素化反応に見られるベンゼニウムイオンに近い構造であることを示す。更にα-CN-α-CF3-OTfはr+=0.98であり、本系のCF3基はβ位にあるにも関わらず同程度のr+を与えた。これはkΔ遷移状態構造がフェノニウム中間体に近いことを示唆する。以上の詳細を報告する。