主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
テトラヘドランは、正四面体構造をした歪んだ飽和炭化水素化合物である。シクロプロパンと同様、歪みをもったσ結合に特有な性質が期待されるため構造の解明には興味がもたれるものの、安定な化合物は少ない。我々は最近シリル基によって安定化されたテトラヘドランを合成し、その官能基変換を行ってきた。今回、テトラヘドラニルアニオンとヘキサフルオロベンゼンとの芳香族求核置換反応によりアリール基を有するテトラヘドラン誘導体の合成に成功した。構造は各種NMR, Mass及びX線結晶構造解析によって決定した。アリールテトラヘドランの合成法と構造の詳細を報告する。また、σ-π共役に関して理論的かつ実験的な検証も行ったので併せて発表する。