主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
ジフェニルアセトアルデヒドおよびそのフェニル置換体のラジカルカチオンを 電子受容性増感剤を用いた光電子移動反応により発生させ、主に分子状酸素 存在下での生成物を調べた。検討した化合物はいずれも、CーC結合開裂により得られる置換ベンゾフェノンを主生成物として与えた。また、レーザーフラッシュホトリシス(LFP)により、電子移動を経て、アルデヒドのラジカルカチオンが生じていることがわかった。アルデヒドラジカルカチオンの反応経路としては、CーC結合開裂、ベンジル位の水素の脱プロトン化、そして、エノールラジカルカチオンへの異性化などが考えられるが、講演では、生成物、LFPの結果、および、各反応過程についてのDFT計算の結果を用いて、アルデヒドラジカルカチオンに起こり得る競争的反応過程について論ずる。