主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
種々の有機溶媒―水混合溶媒系で、典型的なSN1, SN2及SN1-SN2中間的基質のソルボリシス反応に対する濃厚塩効果を研究した。1-アダマンチルハライドに対して、過塩素酸リチウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属過塩素酸塩を添加すると、共存塩の濃度と共に反応速度定数は指数関数的に増加した。しかし、非金属塩の添加により、反応速度は減少した。非金属塩とは、Et4NX (X = ClO4, Cl, Br, TsO)等である。SN1基質であるヘキシルハライドのソルボリシス反応は、過塩素酸リチウム等の添加により減速した。非金属ハライドの共存により、ソルボリシス反応に先立ち、イオン交換反応が起こった。SN1基質の脱離基とアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオン間の化学的相互作用によって、カルボカチオンが生成が促進されることが明らかにされた。