主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
化学変換によって膜分子を生成し、ベシクルの肥大・分裂を引き起こす「ベシクル自己生産系」は、細胞分裂の化学的モデルとして興味がもたれている。
今回、我々は、緩衝液中でアニオン性ベシクルの表面にプロトンが集る性質を利用し、この酸性膜表面の接触反応によってリン酸ヘッドを有する膜分子を生成させ、ベシクルが自触媒的に肥大・分裂するベシクル自己生産反応系を、設計・構築した。
反応解析の結果、膜分子生成曲線は、時間と共に加速度的に上昇し、原料消失・平衡到達と共に一定となる自触媒反応特有のシグモイド型を示した。また、反応に伴ってジャイアントベシクルの個数が著しく増加している様子が、顕微鏡により観測された。