主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
不斉合成研究で汎用される2,2’-ジ置換-1,1’-ビナフチル-金属錯体は中心金属に配位した基質と不斉軸間に4結合を介している。不斉発現の本体がC(1)-C(1’)軸性不斉と仮定するとこの基質-不斉軸間の結合数は短い方が良く、これを最小にする仮想的構造は中心金属が不斉軸に直結した2,-メタラ-1,1’-ビフナフチルである。この金属をN-H-N水素結合に置き換えたキラルビナフチルを合成した。本化合物のエナンチオマーはHPLCで分離でき、室温で6ケ月以上のラセミ化半減期を持つこと、またそのX-線構造解析から1,1’-ビナフチルと極めて類似した構造をとることがわかった。