抄録
不斉源にプロキラルな基質と試薬の前駆体を組み込んだ後、前駆体から反応活性種を発生させると、その分子内反応は不斉源によって立体制御される。不斉源部が長く柔軟な構造で基質と試薬部を結ぶ場合には、分子内反応に対する構造的制限が少なく、様々な反応が実行可能となる。このようなキラル架橋不斉合成は不斉源が単純な構造にも関わらず、高い立体選択性を示すこと、選択性がエントロピー項に由来すること、を我々はすでに報告している。今回は、基質部および架橋部の異なる化合物を用い、反応速度、NMRによる中間体の構造、架橋部の運動性の測定を行い、エントロピー項の誘起機構を解析した。発表では、架橋部の立体配座変換速度との関連についても考察する。