抄録
炭素−窒素2重結合の異性化反応には回転機構と反転機構の2種の経路が存在する。このうち、(CF3)2C=N-Arの異性化は反転機構で進行することが実験により明らかにされている。さらに、回転機構の枠内でplanarなTSを経る機構とperpendicularなTSを経る機構が置換基によって変化することも知られている。本研究ではこのような機構の変動がどのような微細なメカニズムで起こるのか、理論計算によって調べた。反応系としては、上記の他にPhCH=NPhやPhC(CF3)=NPhを取り上げ、C=Nの両端の置換基の効果を検討した。その結果、置換基の電子効果によって遷移状態構造が徐々に変化する様子が見られた。講演では、分子動力学計算の結果も報告したい。