共催: 日本化学会, 日本化学会九州支部, 有機合成化学協会(協賛)
8種のジペプチドを基質として用いて、カルボキシペプチダーゼYによる酵素反応のKmおよびkcatを求め、アミドの窒素原子上のアルキル置換基の影響について調べた。逆相HPLCによる測定からKmは基質の疎水性に関連していることが示された。グリセリンまたはスクロース添加によって反応溶液の粘性率を増加させると触媒定数kcatはNアルキル置換基をもつ基質のほうがより大きく減少した。粘性は摩擦力として働き、大きく動く物体ほど大きく影響することから、Nアルキルの基質の加水分解反応において酵素はより大きなコンホメーション変化を伴って反応している事が考えられる。