抄録
生体内においてはチロシルラジカルが、電子とプロトン移動を伴う多くの主要な反応過程において鍵中間体となっている。しかし、フェノキシルラジカルは一般的に不安定であり、有機化学的に十分な反応活性のあるフェノキシルラジカルを安定的に反応に用いることは困難とされている。本発表では、プロスタグランジン合成酵素反応に見られるように‘双冠ポルフィリン’鉄錯体上に構築した空隙内に安定的にナフトキシルラジカルを発生させ(添付図参照)、これより1,4- ジエンの水素引き抜き、酸素付加反応により立体選択的に1,3-ジエニルヒドロペルオキシドを合成可能とした。この中間体構造の分光学的特徴と基質との反応の両面から議論する(Angew. Chem. Int. Ed. in press)。