共催: 日本化学会, 日本化学会九州支部, 有機合成化学協会(協賛)
これまでにわれわれは溶液反応の動的溶媒効果を測定し,その実験データを用いて溶液反応の理論モデルの検証を行ってきた。その結果,動的挙動の解釈には基質の化学変化に対応する座標(化学座標)と基質の周りの溶媒和の変化に対応する座標(媒体座標)をそれぞれ独立した座標として取り扱う二次元反応座標モデルが有効であることが分かってきた。本講演では,二次元反応座標モデルのSumiによる解釈とBasilevsky,Weinbergによる解釈の2つの方法でアゾベンゼン類およびベンジリデンアニリン類のZ/E熱異性化反応の動的溶媒効果を解析し,その結果に基づいて二次元反応座標モデルの適用の妥当性について議論する。