基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
第55回有機反応化学討論会
セッションID: P44
会議情報

カルボカチオンおよびカルボアニオンに対する溶媒和エネルギー
*中村 真一従野 剛岡崎 隆男木下 知己
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

溶液反応における反応種の反応性の検討には、反応種と溶媒分子との相互作用 (溶媒和) の定量的な検討が必要であるが、有機イオンに対する溶媒和の直接的な熱力学的検討はほとんど行われてこなかった。今回、カルボカチオンとしてトロピリウムイオン類、カルボアニオンとしてシクロペンタジエニドイオン類を採り上げ、それぞれに対する相対的な溶媒和効果を定量的に比較、検討した。その結果、アルキル基によっていずれに対する溶媒和効果も抑制されることが定量的に明らかになった。環上の総電荷と溶媒和効果の減少傾向は比較的良好な相関を示し、アルキル基によって電荷が分散するために溶媒和が減少することを裏付けるものと考えられる。

著者関連情報
© 2005 有機反応化学討論会
前の記事 次の記事
feedback
Top