2017 年 2 巻 p. 21-30
本研究の目的は,運動有能感について,小学校4年生の性差及び運動有能感の差異に関して,運動領域及び時間の経過による違いを分析し,検討することであった.対象は,小学校4年生,1クラス35名(男子16名,女子19名)の体育授業であった.運動領域は,器械運動,走・跳の運動,ゲームであった.検討した結果,運動有能感は,性差及び運動有能感の差異に関係なく,運動領域による有意な差及び時間の経過による有意な変化が認められなかった.また,運動有能感は,運動領域の違い及び時間の経過に関係なく,上位群と下位群に有意な差が認められた.このことから,運動有能感の上位群と下位群の差を小さくする学習指導を検討していくことが重要と考えられる.