2019 年 29 巻 1 号 p. 33-37
近年、製薬業界においては、国際的なM&A(合併と買収)や共同研究が活発に行われ、研究開発のグローバル化が急速に進んでいる。また、創薬研究におけるAI(人工知能)技術の活用も急速に増加してきている。このような状況下、共同研究やAI技術の活用により創出された発明を特許出願する際には、真の発明者の認定(発明者適格性)、および当該発明が完成した国の特定が極めて重要である。また、当該発明が完成した国によっては第一国出願義務が課せられることから、その遵守も重要となる。本稿では、特許出願時および特許付与後の発明者の誤認定により生じ得るリスクについて説明するとともに、係るリスクを回避するための発明者の適切な認定方法について説明する。また、AI創薬により創出された発明における発明者の認定についても紹介する。