2009 年 2009 巻 60 号 p. 212-215
Lecanicillium 属菌を用いたコナガの微生物的防除を検討した.まず,生物的防除資材として有望なプロトプラスト融合株13 菌株中4 菌株がコナガに対して親株より高い病原性を示した.また,これら4 菌株にLT50 値の低い1 菌株を加えた第二選抜において,接種後6 日目における致死率が84.0%,LT50 値が2.6日と最も高い病原性を有する2aF27 を選抜した.この系統は食害面積割合も13.9%と最も低かった.しかし,Beauveria bassiana の高病原性系統MG-Bb-1 には劣った.コナガに対する病原性が低いとされるLecanicillium 属菌であるが,プロトプラスト融合を通して病原性が改変された可能性が示唆された.2aF27はコナガの微生物防除資材として利用できる可能性がある.