北日本病害虫研究会報
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チオファネートメチル剤耐性ダイズ紫斑病菌に対する 各種薬剤の効果的な使用方法について
笹原 剛志
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2009 年 2009 巻 60 号 p. 41-44

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抄録

チオファネートメチル(以下TM)耐性ダイズ紫斑病菌に対する代替薬剤の効果とその年次変動を,2002 年~2008 年に検討した.代替薬剤として,アゾキシストロビン(以下AZ)水和剤とイミベンコナゾール(以下IM)水和剤の効果が高く,特に,AZ 水和剤では1回散布でも充分な防除効果が得られた.その他の薬剤は1回散布では充分な効果が得られない場合があった.AZ 水和剤とIM・エトフェンプロックス水和剤を用いて,1回散布による散布適期を検討した結果,両剤とも開花20 日~35 日後で効果が高く,その前後では低下した.既存の報告も考慮すると,TM 耐性菌存在下で紫斑病を1回散布で防除するには,AZ 水和剤が有効であること,2回散布体系では,開花20 日~40 日後の間に効果の高い薬剤を1回目に,その他の薬剤を2回目に散布することで効率的に紫斑病を防除することが可能と考えられた.

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© 2009 北日本病害虫研究会
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