北日本病害虫研究会報
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ホウレンソウ萎凋病防除におけるガス難透過性フィルム利用による クロルピクリン錠剤の使用削減
岩舘 康哉吉田 樹史江口 武志庄司 新一郎高橋 達治秋山 博志猫塚 修一
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2009 年 2009 巻 60 号 p. 67-72

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抄録

ホウレンソウ萎凋病を対象としたクロルピクリン錠剤による防除において,処理量(慣行:10 錠/m2)の低減を目的とした防除試験を実施した.すなわち,被覆資材にガス難透過性フィルム(VIF)を用いてクロルピクリン錠剤を減量処理した場合の防除効果を,栽培条件の異なる4 地域で検討するとともに,メタ・アナリシスによってデータを統合評価した.その結果,クロルピクリン錠剤の処理量を8 錠/m2 とし,VIF で被覆する試験区(VIF-8 錠区)は,処理量を10錠/m2 とし,ポリエチレンフィルム(PE)で被覆する慣行区(PE-10 錠区)と同等の防除効果が期待できることを明らかにした.また,被覆下におけるクロルピクリンガスの保持量は,VIF-8 錠区とPE-10 錠区はほぼ同等で,大気中へのクロルピクリンガスの拡散は抑制された.

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© 2009 北日本病害虫研究会
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