2010 年 2011 巻 62 号 p. 140-143
アカメガシワクダアザミウマとタイリクヒメハナカメムシの併用により,施設栽培シシトウにおける効果的な害虫アザミウマ類防除技術を開発するため,アカメガシワクダアザミウマの放飼回数を検討した.タイリクヒメハナカメムシの2 回放飼に対し,アカメガシワクダアザミウマを異なる回数で放飼したところ(2,3,4 回放飼区),害虫アザミウマの密度はすべての放飼区で対照区(天敵無放飼区)に比べて顕著に低い値を示したものの,放飼区間でほとんど差は見られなかった.同様に,シシトウ被害果の発生率はいずれの放飼区でも低く抑えられた.これらの結果は,タイリクヒメハナカメムシの補助天敵資材としてアカメガシワクダアザミウマを用いる場合,施設栽培シシトウにおける被害を2 回の放飼で効果的に抑制することが可能であることを示している.