2011 年 2011 巻 62 号 p. 144-147
イモグサレセンチュウは,青森県の特産野菜であるニンニクに腐敗を引き起こす重要線虫である.その被害対策技術として土壌くん蒸剤による被害軽減効果を検討した.調査は,収穫時の鱗片への線虫寄生状況と収穫・保管後に現れる腐敗被害を調査することによって行った.土壌くん蒸消毒区の収穫時線虫寄生鱗球率は,無処理区の100%に比較して0~60%以下と低かった.保管後の被害鱗球率もまた,無処理区の95.5~100%に比べて土壌くん蒸消毒区は6.7~40.0%と低く,被害軽減効果が認められた.収穫時の線虫寄生状況調査は,保管時に発生する被害を事前に評価できると推察された.