北日本病害虫研究会報
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トマトかいよう病の診断における植物病原検査キットの正確性の評価の試み
門田 育生岩間 俊太宍戸 邦明
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2011 年 2011 巻 62 号 p. 55-58

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抄録

トマトかいよう病の診断において,植物病原検査キット(Agdia 社製Cmm イムノストリップキット;Cmm-IS)を使用して検出した場合の正確性を評価するため,同キットによる検査結果とその際に分離される病原細菌との関係を調査した.2010 年に青森県および福島県のトマトかいよう病と推定される病害が発生している農家圃場から採集した被害標本32 点についてCmm-IS で検査したところ,検査結果が陽性でかつかいよう病菌が分離された標本が6点,検査結果が陰性でかつかいよう病菌が分離されなかった標本が11 点であった.一方,残りの標本15 点は,検査結果が陽性でありながら,かいよう病菌が分離されなかった.これは,かいよう病菌の分離に選択性のない普通寒天培地を使用したために分離できなかった可能性があり,今後選択培地等を用いてCmm-IS の正確性をさらに検討する必要がある.

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© 2011 北日本病害虫研究会
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