北日本病害虫研究会報
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アズキ茎腐細菌病がアズキの子実重に与える影響
東岱 孝司
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2012 年 2012 巻 63 号 p. 32-36

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抄録

アズキ茎腐細菌病発生圃場より得られたアズキ種子を播種したところ,初発は第一本葉が展開した植物体の初生葉に認められた.その後,二次伝染により発病株が増加し,播種後50 日までに発病株率は100% に達した.茎葉の発病度とアズキ子実重との間には有意な負の相関が認められ,本病の発生により,着莢数および百粒重が減少し,さらに,屑粒率が増加することにより減収すると推察された.また,開花期の茎葉発病度が50 以上の場合,子実重は30~50%以上減少した.一方,本病の発生の早晩よりも,病勢の伸展による重症化が早まるほど減収し,特に開花期前に茎を半分以上取り囲む病斑形成に至ると子実重は著しく減少した.以上のことから,アズキ茎腐細菌病はアズキ生産において重大な阻害要因であることが明らかとなった.

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© 2012 北日本病害虫研究会
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