2015 年 2015 巻 66 号 p. 121-124
エンバク野生種のキタネグサレセンチュウ密度低減特性を評価するため,低播種量および低養分,晩夏播種など,好適ではない条件で栽培した場合の線虫密度低減効果を調査した.推奨播種量(10~15kg/10a)に比べて播種量が少ないほど線虫密度低下率は小さくなったが,播種量5kg/10a でも推奨播種量と密度低減効果に有意な差はなかった.無施肥条件または晩夏に播種して栽培した場合,エンバク野生種の収量は著しく減少したが,線虫密度低下率は施肥した条件または8 月初旬播種と同程度に高かった.試験を通じて,収量は線虫密度低減効果にあまり影響しなかった.これらから,エンバク野生種の線虫密度低減能は高く,効果を発揮できる栽培条件の幅が極めて広いことが明らかになった.