2017 年 2017 巻 68 号 p. 155-159
初期密度の異なる北海道のジャガイモシストセンチュウ(Gr)発生7圃場において,有機リン系殺線虫剤を所定量全面土壌混和処理後,Gr感受性バレイショを植え付け,殺線虫剤の効果を明らかにした.殺線虫剤処理は無処理と比較し,シスト寄生程度および土壌中の線虫卵密度の増殖を抑制したが,初期密度以上に卵密度は増加した.同処理はバレイショの減収を回避し,その程度は初期密度に応じて高くなった.すなわち,初期密度50卵/g乾土前後の中~高密度発生圃場では,無処理と比較し30%程度の増収が認められたが,15卵/g乾土未満の低密度では10%以下の増収にとどまった.一方,無線虫圃場と比較すると,無処理区の中~高密度圃場では30~40%程度減収したが,殺線虫剤処理区でも10%程度減収しており,殺線虫剤処理はGrによる減収を完全には回避することができなかった.