2017 年 2017 巻 68 号 p. 33-44
東北地域の稲作における最重要病害であるイネいもち病の発生には気象条件が大きく影響するが,慣行防除体系ではあらかじめ決めた時期に薬剤を散布する場合が多い.薬剤散布コスト削減のためには防除要否や散布適期の判断に基づく効率的防除を可能とする必要がある.そこで,現在インターネット上で利用可能な1 kmメッシュ気象データに基づくいもち病発生予察システムを活用した無人ヘリによる効率的防除の実証試験を,東北地域の日本海側3県(秋田県,青森県,山形県)の現地圃場で2年間実施した.その結果,本稿で詳細を報告する秋田県能代市現地の直播栽培圃場における3事例を含む計7事例の実証試験結果が得られ,うち5事例で,実証区において適期防除や不要な防除の省略ができ収益向上したと考えられ,本予察システムを活用した効率的防除の有効性がおおむね実証された.一方で,実際の生産現場への適用の際の課題も抽出された.