2017 年 2017 巻 68 号 p. 28-32
水稲品種「わたぼうし」を用いた過去のいもち病防除試験を再解析し,穂いもち発生量及び防除効果を予測するロジスティック回帰モデルの構築を試みた.目的変数を発病穂率あるいは重症穂率,説明変数を上位葉病斑数,水面施用粒剤あるいは茎葉散布剤による穂いもち防除の有無及び出穂期から6日後までの降雨日数とすると,いずれもモデルの予測力に貢献していると考えられた.発病穂率あるいは重症穂率のオッズは,上位葉病斑数が1増加すると約1.5倍,降雨日数が1増加すると約1.4倍になり,穂いもちは増加し,一方で穂いもち防除粒剤施用により0.75倍,茎葉散布で0.08倍となり,穂いもちは減少すると推定された.確証用データによる発病穂率と重症穂率の予測的中率はそれぞれ81.7%と84.8%, κ係数はそれぞれ0.23~0.97と0.22~0.80とやや低く,モデルの有効性は認められたが,今後交絡因子の影響等も検討する必要がある.