2017 年 2017 巻 68 号 p. 52-58
秋田県内の現地ほ場において飼料米用イネや稲発酵粗飼料用イネ(WCS用イネ)の主要害虫の発生実態を調査し,発生リスクの高い害虫の抽出を試みた.その結果,斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ)のすくい取り数が主食用イネと比較して多いほ場が確認され,そのうち3ほ場では20頭を超える多発ほ場であり,本種の発生源となることが懸念された.そのため,今後は実際に多発条件下でアカスジカスミカメが周辺の主食用イネへ影響を及ぼすかを確認し,殺虫剤の必要性について検討する必要があった.そのほか,イネカラバエによる被害(傷穂)株率が「べこごのみ」で高い事例が確認され,翌年に地域全体の発生密度を高める可能性が考えられた.イネミズゾウムシ等の初期害虫は,多くの調査ほ場で育苗箱施用による殺虫剤が使用されたため,発生量や食害程度が抑えられ,発生リスクは低いと考えられた.