2018 年 2018 巻 69 号 p. 115-118
水田畦畔管理の省力化を目的としたグランドカバープランツの一つ,クリーピングベントグラスの導入が福島県の旧避難指示区域等で検討されている.本種はイネ科植物であることから,畦畔に植栽された場合,斑点米カメムシ類の発生源となることが懸念される.本種が優占した法面ですくい取り調査を実施した結果,アカスジカスミカメ,アカヒゲホソミドリカスミカメ,フタトゲムギカスミカメの発生が認められ,水稲の出穂前に一世代を経過することが明らかとなり,クリーピングベントグラスは斑点米カメムシ類の発生源となると考えられた.