2019 年 2019 巻 70 号 p. 158-161
2015年に秋田県横手市の露地アスパラガス圃場において,茎の曲がり症状に加え,アスパラガス茎葉の著しい白化症状が確認された.被害圃場から得られたカスミカメムシ類は農林水産省横浜植物防疫所によりヒメキボシカスミカメPolymerus cognatusと同定された.本種はこれまで国内では害虫としての報告は無く,今回のアスパラガスにおける発生が初報告となる.成虫は6月~9月に継続的に発生が確認され,6月下旬~7月中旬および8月上旬~中旬に発生のピークが認められたことから,秋田県のアスパラガスでは年2世代の発生である可能性が高い.