2019 年 2019 巻 70 号 p. 175-177
秋田県南部のセイヨウナシ園地でセイヨウナシハモグリダニ(仮称)の越冬場所からの離脱時期を調査し,石灰硫黄合剤の休眠期散布の防除効果を検証した.前年被害がみられた樹から2018年3月に採取した徒長枝に設置した粘着トラップへの越冬個体の捕獲は,発芽前より始まり,展葉期以前に多かった.前年被害が多発した園地において,発芽前の2018年4月に石灰硫黄合剤10倍をセイヨウナシ樹へ散布した結果,被害軽減効果は5月下旬では高かった.しかし,10月上旬では被害は無散布区より少なかったものの,5月下旬よりも増加した.