2020 年 2020 巻 71 号 p. 84-87
ナス褐色斑点病および果実の小陥没症に対する感受性の品種間差異を圃場試験により検討した.果色や果形,へたの色など形質が異なる11品種について調査した結果,感受性の品種間差異が確認されたものの,全供試品種において褐色斑点病および果実の小陥没症の発生が確認された.褐色斑点病や果実の小陥没症の発生が比較的少ない「味しらかわ茄子」などの品種もみられたが,求められる果形・果色や用途が明確なナス栽培では,品種の切り替えは容易ではない.そのため,品種の切り替えのみで本病および果実の小陥没症の被害を完全に回避することは困難と思われた.