2021 年 2021 巻 72 号 p. 46-50
山形県におけるダイズ主要品種である「里のほほえみ」のべと病に対する罹病性について,他の品種との差異を山形県農業総合研究センター内圃場試験および現地圃場調査により検討した.2018~2020年に行った圃場試験において,「里のほほえみ」は「シュウリュウ」,「エンレイ」,「リュウホウ」に比べて葉の発病株率が高い傾向にあり,汚染粒率は有意に高かった.
2018, 2019年に行った現地圃場の調査結果について,べと病汚染粒の発生の有無を目的変数,各要因を説明変数とするロジスティック回帰分析を行った.その結果,品種「里のほほえみ」は,他品種(秘伝,シュウリュウ,リュウホウまたはスズユタカ)に比べてべと病汚染粒の発生が多くなること,8月下旬に紫斑病対象のアゾキシストロビン水和剤が散布されていた場合,同剤無散布の場合と比べてべと病汚染粒の発生が少なくなることが示された.