2021 年 2021 巻 72 号 p. 51-55
北海道内で近年確認された新発生病原菌Tilletia controversaによるコムギなまぐさ黒穂病に対し,プロピコナゾール乳剤25とフルアジナムフロアブルの無人ヘリコプター散布の防除効果を検討した.黒色調査紙による薬剤の落下分散調査において無人ヘリコプター区の草冠部の付着量は多かった.防除効果に関しては,甚発生条件下の試験となったが.両剤の8倍液・800 mL/10 aの無人ヘリコプター散布は発生を著しく抑制し,その効果は同薬剤のそれぞれ750倍および1,000倍・100 L/10 aの地上散布とほぼ同等であった.北海道内に多く分布する秋期に湿潤・軟弱となる圃場においては本散布技術の利用によって,より効果的な防除が可能となる.