2021 年 2021 巻 72 号 p. 99-103
秋田県内のアカヒゲホソミドリカスミカメとアカスジカスミカメのジノテフランに対する薬剤感受性検定を行った.局所施用法によるLD50値(半数致死量)を算出したところ,アカヒゲホソミドリカスミカメ雌成虫は0.17~0.65 μg/g(4地点),アカスジカスミカメ雌成虫は0.43 μg/g(1地点)で,ジノテフラン液剤の1,000倍液(常用濃度),2,000倍液,4,000倍液を供試して食餌浸漬法による殺虫効果を調査したところ,雌雄成虫とも4,000倍液でアカヒゲホソミドリカスミカメは100%,アカスジカスミカメは90%以上の補正死亡率であった.以上のことから,両種ともジノテフランに対する感受性の低下は確認されず,高い殺虫効果が期待できると考えられた.