北日本病害虫研究会報
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リンゴ黒星病に治療効果を有する各種殺菌剤を用いた花蕾着色期と開花直前の散布体系による防除効果
猫塚 修一
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2024 年 2024 巻 75 号 p. 55-62

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抄録

リンゴ黒星病の前年多発園において,花蕾着色期~開花期の感染量と,本病に治療効果を有する各種殺菌剤を用いた「花蕾着色期」と「開花直前」の散布体系による防除効果を2ヵ年検討した.ポット植えリンゴ苗木を用いた曝露試験では,花蕾着色期,開花始期,開花期後半の発病葉率が高く,花蕾着色期と開花始期が一次感染,開花期後半は二次感染に由来すると推定された.防除試験では,供試薬剤はいずれも「花蕾着色期」の防除効果が認められた.「花蕾着色期」にインピルフルキサム水和剤(SDHI剤),「開花直前」にイプフルフェノキン水和剤(DHODHI剤)を散布する体系の防除効果が最も優れた.「花蕾着色期」のSDHI剤は果そう葉と幼果での発病を,「開花直前」のDHODHI剤は新梢葉での発病をそれぞれ抑制した.

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© 2024 北日本病害虫研究会
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