イネヒメハモグリバエ成虫の発生消長調査を1979年から6年間にわたって4月~6月に黄色粘着板トラップを用いて実施したところ, 各年次とも2つのピークが出現し, 第1回目のピークは4月中旬~5月上旬, 第2回目のピークは6月上~ 中旬に現われ, ピーク出現時期には年次変動が認められた.第1回ピークの出現時期とピークの大きさは, 田植時期の成虫密度に大きく関与し.第1世代の被害発生量は, 田植時期の成虫密度に大きく影響を受ける傾町が認められた.また, 第2回ピークの出現時期については, 田植時期 (5月10日) からの有効温量270日度を求めることによって予測が可能と考えられたが.第1回ピーク出現時期の予測については.有効温量だけでは説明できず, 越冬ステージの面からの検討も必要と考えられた.