北日本病害虫研究会報
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市場で発生したニラとろけ症の病原および発生要因
1. とろけ症の病原Pseudomonas marginalisによるニラ腐敗病 (新称)
平子 喜一藤田 祐子伊藤 佐弥香瀧川 雄一
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2000 年 2000 巻 51 号 p. 47-50

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抄録

福島県では, 1992年頃から, 北海道市場に出荷したニラが腐敗する障害「とろけ症」が発生し問題となっている。菌の分離・同定を行なった結果, 本症はPseudomoms marginalisによる細菌病であることが明らかとなった。また, 本細菌を圃場生育中のニラに接種し, 黄褐色条斑葉を生じることを明らかにした。さらに, 黄褐色条斑葉の圃場での自然発生を確認し, そこから菌を分離し, 分離細菌がとろけ症を再現することを確認した。本細菌もP. margimlisと同定された。以上の結果から, ニラとろけ症および圃場生育中のニラに黄褐色条斑葉を生じる病害をP. margimlisによるニラ腐敗病と呼称することを提案する。

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