抄録
2001年, 岩手県では, 8月上旬まで, アカスジカスミカメをはじめとするカメムシ類の発生が多く, 斑点米の多発が懸念された.しかし, 収穫期における斑点米の発生量は少なかった.少発生の直接の要因として, 出穂期~ 登熟期の本田において, アカスジカスミカメなどの斑点米原因カメムシ類の個体密度が低かったことがあげられる.その要因としては, 第2世代成虫の発生時期が遅れ, 8月末~9月にずれ込んだこと, 8月以降の低温により成虫の本田への飛来侵入活動が抑制されたことなどが推定される.さらに,!999年および2000年の斑点米多発生の経験から, 2001年は発生源の草刈りと薬剤防除が徹底されたことも一因であろう.